『融資渉外担当者』に合わせていてはダメ!
銀行との融資取引において、新規融資にせよリスケジュールにせよ、真っ当に自社のことを伝え、正統な評価を受け、支援に繋げようというのであればフルセットではないにせよ長期的な事業計画は必然ですし、自社の企業概要や地域経済を鑑みた長期的な売上の予測・裏付けも必要です。
昨今では事業性評価の導入によって、より必要性が増してきています。しかしながら実践している企業は僅少といった実態です。
これは非常にもったいないことです。御社も過小評価されているかもしれません。
◆必要な書類はもっとある
以前寄稿した「融資渉外担当者の憂鬱」でもお話させていただきましたが、銀行という組織は普段、あなたの会社のことを知らない、社長に会ったこともない審査部(融資部)が御社の提出する資料だけを見て融資可否の判断をしています。合わせて融資渉外担当者は「融資に詳しくない人」が多いのです。
他の会社もそうだから、A銀行もそうだから・・・とこれまで大丈夫だからといって最小限度の資料しか提出しないというのは、あなたの会社を過小評価される原因になります。
◆原因は、目の前の融資渉外担当者に合わせていること
銀行への提出資料は、大概、社長が融資渉外担当者に何を準備すればよいかを確認して用意していると思います。
融資に詳しくない担当者に言われた資料を、あなたの会社のことを知らない、社長にも会ったことも無い支店長や本部(審査部)が最終決済する銀行の稟議体制を考えた場合、危険度が高すぎると思いませんか?
「融資渉外担当者に口頭で伝えているから大丈夫」とお感じの方!
本当にあなたの会社のことが最終決済権限者に伝わっていると思いますか?
本当に融資渉外担当者を信じられますか?
殆どの場合、10%も伝わっていません。
経験不足、スキル不足の担当者に 過大な期待をするのは危険すぎると思います。
◆ターゲットは支店長や、審査部などの本部
狙うべき、訴えるべき相手は、目の前の融資担当者ではありません。
見えない、壁の向こうにいる決裁者に、あなたの会社をアピールしなくてはならないのです。
これは銀行のプロパー融資に限ったことではありません。
保証協会も同様で、試算表や資金繰り表は「審査するための、最低限の資料」であって、
「あなたの会社を適正に判断するための資料」ではありません。
銀行との交渉時、窓口は担当者ですが担当者を納得させるのは当たり前、その先にいる決裁者にアピールすることを忘れないようにしてください。
「担当者に言われた通りのことはやったのに」という後悔をしないですみます。
実力不足の担当者に愚痴を言ってもはじまりません。
融資担当者は入り口であって、肝心なのはその先とお考えください。
コメント