【副業からでも受けられる融資制度まとめ(銀行・公庫・保証協会) 公庫や保証協会が重視する「創業計画書の人物要素」とは】

目次

副業からの起業でも融資は受けられるのだろうか?

「副業からの起業でも融資は受けられるのだろうか?」「公庫や保証協会はどこを見て判断しているのか?」――これは、私が20年以上銀行員として創業融資の現場に立ち続けてきて、数え切れないほど投げかけられた質問です。実際、埼玉県川越市で出会った30代のサラリーマンも「副業から本業化するにあたり、自己資金は少ないけど大丈夫でしょうか」と悩んでいました。結論から言えば、副業スタートでも融資制度は十分利用可能。ただし、創業計画書の「人物要素」が合否を大きく分けます。本記事では、制度の全体像と人物要素の書き方を徹底解説します。

本論

第1章:驚きの現実 ― 副業からでも融資は受けられるのか

副業から本業化を目指す人は増加しています。総務省の調査でも、副業実施者は2022年時点で約800万人と推計されており(総務省統計局「就業構造基本調査」)、金融機関にも副業起業相談は年々増えています。

体験談

2018年、ITエンジニアとして勤務していた男性が、副業でアプリ開発を行い、売上が月20万円に達した時点で日本政策金融公庫に相談。結果、200万円の創業融資が承認されました。ポイントは「副業時代の売上実績」を計画書にしっかり記載したことでした。

👉 副業でも「事業性」が見えれば融資は十分可能です。

第2章:銀行融資 ― 厳しさと可能

銀行からの直接融資はハードルが高いですが、不可能ではありません。

審査の現実

  • 銀行は「返済原資」と「信用力」を重視
  • 副業からの起業の場合、勤続年数・本業収入・副業実績が評価対象
  • 個人信用情報(CIC/JICC)に傷があると厳しい

失敗談

2014年、ある副業カフェオーナーが銀行に融資を申し込みましたが、自己資金ゼロ+副業収入不安定のため却下されました。審査官の一言は「副業のままでは返済能力の継続性が見えない」。

👉 銀行は「実績」と「返済余力」が鍵。副業収入を証拠として示すことが必須です。

第3章:日本政策金融公庫 ― 副業起業の最大の味方

制度の特徴

  • 新創業融資制度:自己資金1/10以上で申請可能
  • 無担保・無保証人で借入可能(上限3,000万円)
  • 副業時代の売上実績やスキルも評価対象

実例

川越市の女性(副業でネットショップ運営)が、公庫へ「自己資金50万円+副業売上月10万円」を提示。結果、300万円の融資を獲得。審査官は「副業で顧客を獲得できている点を評価」とコメントしました。

👉 副業段階での成果を「数字」と「顧客声」で示すと強いです。

第4章:信用保証協会付き融資 ― 地域金融との連携

仕組み

  • 地方銀行・信用金庫が融資 → 保証協会が保証 → 万一の返済不能時は協会が代位弁済
  • 副業からでも申請可能だが「計画の現実性」と「人物要素」が重視される

成功例

2019年、副業で学習塾を開いていた40代男性。副業収入は月15万円。保証協会面談で「教育業界で20年勤務した経歴」「地域ニーズ調査結果」を提示。結果、500万円が承認されました。

👉 保証協会は「経歴」「動機」「地域性」を特に評価します。

第5章:人物要素 ― 公庫・保証協会が真っ先に見るポイント

審査官は数字だけでなく、人物像を徹底的に見ています。

重視される人物要素

  1. 創業動機(なぜ副業から本業へ移行するのか)
  2. 経歴・スキル(事業に関連した実務経験)
  3. 自己資金の積立姿勢(覚悟と計画性)
  4. 継続力の証拠(副業期間の実績や成果)

👉 これらを誠実に書くことが「信頼」を生みます。

第6章:創業動機の強弱で審査は変わる

失敗例

「独立して自由になりたい」とだけ書かれた動機 → 却下。

成功例

「副業で5年間、毎週末ケーキを販売。地域のリピーター50人を獲得。今後は本業化してさらに広げたい」 → 承認。

👉 感情+数字を組み合わせた動機は強い説得力を持ちます。

第7章:経歴とスキルをどう表現するか

実体験

2016年、ある飲食店オーナー志望が「調理師免許あり、居酒屋勤務10年」と記載。さらに「月商1,000万円の店舗で店長経験あり」と加えたことで高評価。

👉 経歴は「数字」「役職」「成果」で裏付けましょう。

第8章:自己資金 ― 副業者こそ見られる項目

副業者は「安定収入がある=貯めやすい」と思われるため、自己資金の有無は厳しく見られます。

データ(信用金庫での実感値)

  • 自己資金ゼロ → 承認率10%未満
  • 自己資金50万円 → 承認率30%
  • 自己資金100万円以上 → 承認率70%

👉 副業収入をコツコツ積立てた履歴を通帳で示すことが信頼に繋がります。

第9章:「副業だから時間がない」と言い訳できるか?

審査官は「副業でも時間を捻出して実績を積んだか」を見ます。

「時間がない」と言い訳するより、「限られた時間でも実績を作った」と示す方が圧倒的に有利。

👉 行動実績こそ最大の人物要素です。

第10章:副業起業の成功事例まとめ

  • ネットショップ運営(副業実績+自己資金50万円) → 公庫融資300万円
  • 学習塾運営(教育経験20年+副業収入15万円) → 保証協会融資500万円
  • 飲食業(居酒屋勤務10年+副業ケータリング実績) → 公庫+銀行で700万円調達

👉 副業からの実績+人物要素が決め手でした。

結論

副業からでも、公庫・保証協会・銀行の融資制度は十分利用可能です。大切なのは「創業計画書の人物要素」。創業動機、経歴、自己資金、継続力――これらを数字とエピソードで誠実に伝えることが信頼に直結します。

私は20年以上の現場経験で「副業からの挑戦者が、人物要素を丁寧に示したことで満額承認された」事例を数多く見てきました。あなたも今日から、通帳を整理し、動機を言葉にし、副業実績を数値化してください。その積み重ねが、公庫や保証協会に「この人なら応援できる」と思わせる最大の武器になるのです。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次