「何から始めればいいのかわからない…」 夜な夜なノートを開き、頭を抱えるあなたの姿が目に浮かびます。
創業への夢はある。でも、創業計画書となると一気に現実味を帯び、不安が押し寄せてくる。
事業内容、数字、資金調達、審査基準…。ただでさえやることが多いのに、通るかどうかもわからない書類作成に時間をかけるのは辛い。
しかし、ご安心ください。
本記事では、20年以上企業融資の現場で数百人の起業家を見てきた専門家が、金融機関の本音と審査を通す創業計画書のすべてを、具体例とともにお伝えします。
【第1章:知らなきゃ損!創業計画書の本当の意味】
「創業計画書=融資のための書類」と思っていませんか?
確かに、銀行や日本政策金融公庫はこの書類であなたの“信頼性”を見極めます。
しかし、それだけではありません。
創業計画書は、あなた自身が「本当にやりたいこと」「それで飯が食えるのか」「やり続けられるのか」を見極める設計図なのです。
実際、創業後3年以内に倒産・廃業する企業は全体の約4割。その大半が、事前の計画が甘かった、または計画すらなかったことが原因です(中小企業庁調査)。
つまり、創業計画書は”融資の通過書類”であると同時に、“失敗しないための経営ツール”でもある。
だからこそ、書き方ひとつで未来が大きく変わるのです。

【第2章:審査官の目線で見る「通る計画書」】
審査担当者は、決して敵ではありません。
むしろ、「この人にお金を貸して大丈夫か?」を判断する立場として、あなたの計画書を食い入るように読み込みます。
彼らが重視するのは、以下の5点。
- 事業の動機が明確で現実的
- 市場分析が具体的かつ根拠がある
- 収益モデルが成立している
- 自己資金の比率が30%以上あるか
- 経営者に経験・熱意・覚悟があるか
たとえば「売上100万円/月」の予測を立てる場合、
「客単価5,000円 × 月200人」など、取得根拠→計算式→結果の3点セットで説明すると信頼性が一気に上がります。
逆に「頑張ります!」という精神論や「SNSでバズる想定です」という曖昧な言葉は通用しません。
必要資金の具体例
必要資金 | 自己資金 | 自己資金比率 |
---|---|---|
500万円 | 200万円 | 40% |
300万円 | 90万円 | 30% |
【第3章:日本政策公庫と民間金融機関】
基本的に民間金融機関の創業融資は信用保証協会保証付になり、保証協会審査に委ねられます。
審査項目 | 日本政策金融公庫 | 民間金融機関 |
---|---|---|
自己資金比率 | 重視 | 重視 |
事業計画の具体性 | 非常に重視 | 重視 |
経営者の経験 | 重視 | 重視 |
信用情報 | 参考程度 | 非常に重視 |
担保・保証人 | 不要の場合も多い | 不要な場合も多い |

【第4章:計画書で“つまづく”人の共通点】
相談現場でよく出会うのが、以下のような悩みです。
- 数値が適当で根拠がない
- 市場や競合を調べていない
- 自己資金が少なすぎる
- 開業後の人材・運営体制が曖昧
- 自分の強みを言語化できていない
こうした状態で提出される創業計画書は、残念ながら通りません。
とはいえ、すべてを完璧に書こうとすると身動きが取れなくなります。
だからこそ「自分の事業を客観的に見る」「第三者の視点を借りる」ことが突破口となるのです。
【第5章:合格率が上がる!記入の順番とコツ】
実際に書くときは、以下の順で進めるとスムーズです。
- 起業動機・想いを書く(まず自分の内側から)
- 提供サービスの詳細(商品・価格・差別化)
- 市場・競合分析(数値・体験談・リサーチ結果)
- 売上・費用・利益の試算(計算式もセットで)
- 資金計画(調達元・用途・必要額)
- 経営者プロフィール(職歴・資格・人材体制)
特に「売上計画」は以下のように書きます:
月間来店客数20人 × 客単価8,000円 × 稼働日数25日 = 月商400,000円
このように明確な前提で計算することで、審査官が「なるほど」と頷きます。
【第6章:業種別!成功する創業計画書の事例】
▼飲食業の場合
- 立地:駅徒歩3分の人通り多いエリア
- 客単価:ランチ1,200円/ディナー3,000円
- 売上計算:昼30名+夜20名=1日50名×25日=月1,250人→売上約250万円
▼美容業の場合
- 施術単価:カット4,000円+カラー6,000円
- 1日施術人数:平均5人→月125人
- 売上:125人×10,000円=月125万円
▼小売業の場合
・仕入先:地域問屋と契約済み
・EC販売:月間アクセス1万件×CVR1.5%×客単価5,000円=売上75万円
【第7章:テンプレート・支援ツール・相談先まとめ】
●無料テンプレート
・商工会議所の業種別様式
●おすすめ支援窓口
・起業の窓口(自治体支援)
●相談先
・中小企業診断士(計画書のプロ)
・税理士(資金繰りのプロ)
【結論:未来を動かす一枚を、今、あなたの手で】
創業計画書とは、単なる「提出書類」ではありません。
あなたの未来に向けた“決意表明”であり、“経営の設計図”でもあります。
書き上げたとき、あなた自身が「この事業、いける」と思えるかどうか。
その確信が、審査官の心を動かすのです。
一歩踏み出せば、必ず道はひらけます。
さあ、あなたの理想の起業に向けて、最初の一枚を描き出しましょう。
今日この瞬間が、未来の転機になるかもしれません。

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